このページは石垣島でのガイド歴15年のダイビングインストラクターが石垣島で起こっている赤土流出問題や石垣島の現状を、何処よりもわかりやすく解説します。
環境問題を知って頂くために限定ツアーも開催中です。
ぜひ最後まで御覧ください。
赤土流出って耳にするけど何が問題なの?
ダイビングやシュノーケリングと関係あるの?
など、よくある質問を交えて解説して参ります。
ダイビングスクールあつまる 代表
PADI Master Scuba Diver Trainer、エマージェンシー・ファースト・レスポンス・インストラクター、潜水士、小型船舶操縦免許(1級、特殊)
22歳の時に兵庫県より石垣島へ移住、27歳で独立、36歳で法人化(合同会社ダイビングスクールあつまる設立)
年間1000人以上の体験ダイビング、シュノーケリングを開催。
ダイビング本数は10000本を突破!
初心者の方や苦手意識のある方のサポートが得意。
「楽しかった!」と言ってもらえるのが何よりの好物。
赤土の多くは沖縄などの南西諸島で見られます。
赤茶色の土(国頭マージ、島尻マージなど)や灰色の土(ジャーガルとその母石のクチャ)など、粒子の細かい土壌の総称を「赤土」と呼んでいます。
この赤土等の流出が海や川、地下水を濁らせ、周辺の環境に影響を与えています。
沖縄などの畑の多くは赤土で形成されています。
主にパイナップルやサトウキビなどに利用されています。
赤土は決して悪者ではありません。
日常的に存在する「畑の土」と大きな差はありません。
赤土は雨が降ると、畑や大地から削られ川へ流れ込みます。
また、開発や工事などにより削られた赤土も川や海へ流出する場面があります。
川へ流れ込んだ赤土はそのまま海へ流れていきます。
海へ流れ込んだ赤土が大きな影響を発生させます。
大雨の翌日は赤土の流出範囲が数kmに及びます。
石垣島から出た赤土が竹富島まで到達していることも珍しくありません。
赤土が流出すると、川や海を汚染します。
比重の重い赤土は川や海の海底に堆積します。
堆積した結果、生まれる悪影響は多数あります。
サンゴは光合成を行う生物です。
赤土の流出により、2パターンの害が発生します。
赤土が流れ込んだ海底は太陽の光が一切届きません。
ダイビングで潜った際も真っ暗になるほどです。
その様な状況では光合成に必要な光を吸収することができずに、サンゴはどんどん弱っていってしまいます。
第2段階として、流出した赤土は海底に堆積します。
サンゴの上に堆積した赤土は更に光合成を阻害します。
サンゴは自分で赤土を払うことができないので、日に日に弱っていきます。
水面を覆う赤土はまだ数日でなくなるので、これで死滅することはあまりありません。
海底への体積が一番影響が大きく、死滅するサンゴも増えてしまいます。
サンゴと同じく光合成を行う海産物には影響がでます。
もずくやひじきなどは海藻、つまりは植物なので光がないと成長することができません。
サンゴの様に赤土の体積で大規模な被害を受けた事例が過去に何度もあります。
冒頭でもお話したとおり、赤土は決して悪い物ではありません。
栄養分も豊富な赤土は農作物にはなくてはならない存在です。
ただ、赤土の養分は多すぎると悪影響がおこります。
赤土の養分を摂取してオニヒトデが大発生した事例があります。
(赤土以外にも様々な要因の説があります)
オニヒトデが発生することにより、サンゴを食べてしまい石垣島のサンゴが8割以上死滅した年がありました。
オニヒトデ自体も決して悪者ではありません。
元々は成長の早すぎるサンゴの抑止的な役割の生物なのです。
問題はオニヒトデが大発生してしまう環境にあると考えています。
赤土の流出を防ぐために様々な団体が活動しています。
一部を紹介させて頂きます。
赤土が流出する畑の周りを月桃やベチベルなど根がしっかりした植物で囲うことによって、赤土の流出を防ぐことができます。
60%程度の流出量低下が実験で確認されており、赤土流出問題で一番耳にする対策です。
石垣島のNPO夏花さんでは、月桃を活用したルームフレグランスも販売しています。
赤土の流出を50%~60%防ぐことができる。
グリーンベルトで育てた植物を商品化できる。
農家さんの理解が必要。
グリーンベルトを植えた分農家さんの作物が減り、その分収入が減る。
作物がない状態の畑は赤土が流出しやすいです。
そのため、休耕地や収穫後の畑からの赤土流出は通常の畑よりも多くなります。
ヒマワリなどを植えることにより、赤土の流出を防ぐだけでなく、緑肥として畑に鋤き込む事もできます。
石垣島でも毎年夏前からひまわり畑を多く見ることができますが、これは赤土流出を防ぐために行っている事業です。
グリーンベルトを作る植物は石垣島では2種類がメインに育てられています。
月桃とベチベルです。
あまり耳馴染みのない植物なので、どういった植物なのかご紹介します。
月桃は、熱帯・亜熱帯の地域に生えている、ショウガ科ハナミョウガ属の多年生常緑草本です。
沖縄では普通自生しており、初夏には白色の丸みを帯びたかわいい花が咲きます。
葉っぱや種には優れた成分が多く、防虫・防カビ・抗菌作用があり、様々な商品化も行われています。
石鹸、化粧水、ハーブティーなどにも用いられており、沖縄のお土産としても有名です。
ベチベル、ベチベルソウ、ベチバーなどと呼ばれます。
日本でも栽培される多年草.根茎は太さ3~4 mm.全体にレモングラスなどハーブのような匂いがあります。
草丈2~3m程度まで伸びるので風を防ぐ役割としても活躍します。
また、株分けで育つ植物でもあるので、育つまでに時間がかからないのもメリットです。
月桃よりも知名度は落ちますが、月桃と同じく商品化も行われています。
消臭剤として利用される事が多いです。
石垣島の赤土流出をより多くの方に知って頂くために、限定ツアーを1月31日まで開催しております!
セミナーと現場確認で石垣島の海の状態、被害状況などをご覧いただけます。
赤土はどういった物なのか?どういった問題があるのか?実際に海に入る前にレクチャーを行います。
実際にシュノーケリングで白化したサンゴを見てみましょう。
生きているサンゴとの違いは?
どれくらいのサンゴが被害をうけているのか?
を確認することができます。
グリーンベルトで活躍している月桃の種を参加者の方にプレゼント!
家庭で育てて、いつまでも赤土流出の事を忘れないように・・・
通常開催のツアーと合わせてご参加頂くことも可能です。
参加希望の方はLINEかお電話でお問い合わせください。
当日ご来店時にセミナーの開催も可能です。
その他にも多くの環境活動を行っております。
環境問題に興味がある方はこちらも御覧ください。
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